イラン指導部、融和策を模索か イスラエルとの戦力の差が明らかなため

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イラン指導部、表向きは戦闘継続主張も…イスラエルとの戦力差は顕著、融和策を模索か

イスラエルによる攻撃が続く中、イランは戦闘継続の意思を崩していない。ただ、イスラエルとの戦力の差は明らかで、劣勢を覆す材料も見当たらない。国内では核関連を含む軍事施設への激しい攻撃で被害が拡大。指導部は表向きは強硬姿勢を示しているが、融和策を探り始めた可能性もある。

イラン最高指導者ハメネイ師は18日、「決して降伏しない。米国が攻撃に加われば、取り返しがつかない結果になる」と述べ、攻撃参加を検討する米国に警告を発した。

強気な発言の一方、イラン側の態度軟化を示す報道も出た。米紙ニューヨーク・タイムズは18日、トランプ米大統領が16日に提案したウィットコフ中東担当特使らとの核開発を巡る対話について、イラン政府高官が「近く受け入れる」と述べたと伝えた。

反米・反イスラエルを掲げるイラン指導部は、国内に面目を保つ上で弱腰は見せられない。対話に応じる姿勢を米側に示し、停戦実現に向けてイスラエルを説得させる狙いもほの見える。

もっとも、トランプ米政権はイランの「無条件降伏」を求めている。対話がセッティングされたとしても、核開発の放棄を強硬に主張することは間違いない。

中東では2003年、リビアのカダフィ体制が核兵器開発の放棄を表明したが、最終的に11年に欧米の軍事介入を招いて崩壊した。イランはリビアの事例から、核開発を体制存続に不可欠なカギとみなしており、米国の要求に簡単に応じるつもりはなさそうだ。

一方、イスラエルはイランの首都テヘランの制空権を掌握したとも報じられ、攻勢が緩む気配はない。18日にはイスラエル軍が戦闘機60機を投入し、テヘランでウラン濃縮用の遠心分離機の製造所など20カ所以上の軍事目標を攻撃した。包囲網が狭まるイラン指導部だが、取りうる選択肢は限定されつつある。（中東支局　佐藤貴生）

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